こんにちは、kanataです。

小説の冒頭の書き方について
検索していたら面白い記事を見つけ、
この記事(スティーブン・キングの言葉)を
日本語に要約(一部省略)してみました。

関連記事:Why Stephen King Spends 'Months and Even Years' Writing Opening Sentenses

 

beginning
http://thewritepractice.com/first-line/

はじめの一行について多くのことが
述べられていますが、それについて語るのは難しいことです。
第一稿を書いているときは、ただ書いているので、
論理的に最初の一行について考えているわけではないから。

 

1つ確かなことは、最初の一行は読者を
物語の世界へと連れていく招待状のようなものです。
聞いて、こっちにおいで、ここにはあなたが
知りたいことがあるから。というように。
作者は、どのようにして、断りがたい
魅力的な招待状を贈ることができるでしょう?

 

よくあるアドバイスは、読者の興味をすぐに引くために、
最初の一行は劇的な状況から始めるというもの。
これは「フック」と呼ばれるもので、一理あります。

 

本当にヒドい最初の一行は、それを
読んだだけで、その本を買う気がなくなります。
だって、本なんて既にたくさん持っているし、
最初の瞬間に魅力を感じなければ、それまでです。

 

私にとって、素晴らしい最初の一行は、声ありきなんです。
「声」について色々と言われていますが、
その多くは「スタイル」について言っているんです。

声は、それ以上のものです。
人は、何かを求めて本にたどり着きます。
その求める何かは、物語でも登場人物でも、
もちろんジャンルなんかでもありません。
読者は、声を求めて来るのです。

 

例えば、John Sanfordの著書をたくさん読んだ人は、
彼独特の、ゆがんだ皮肉を楽しむ声を知っています。

Elmore Leonardが書くものは、まるで彼の指紋みたい。
読んだだけで彼だと分かる。魅力的な声は、
聞いただけで一気に惹きつけられます。
そこで築かれた繋がりは、とても強い。
巧みに作られた物語との知的な繋がりよりも。

 

本当に素晴らしい本は、
最初の一行に、強烈な声が構築されています。

私の大好きな最初の一行は、
Douglas Fairbairnの「Shoot」という、
森の中での対立から始まる小説。最初の一行は、

This is what happened.

 

「This is what happened」この文自体は、
実際に何が起こったのか言っていません。
でも、そんなことは、どうでもいいのです。
それは、声であり、とても断りがたい招待状だからです。

それは、とても大事な情報を共有してくれる
良い友達を見つけたようなものです。
「ここに、娯楽や自由になれる(逃げていける)場所を提供し、
もしかしたら、あなたの世界を見る目を全く変えてしまうかもしれない、
そんな人がいるよ」と言っています。フィクションの世界で、
それは抵抗できない力です。それがあるから、私たちは読むのです。

 

読者について言及してきましたが、
冒頭の一行は作家にとっても大切であることを忘れてはいけません。

冒頭の一行は、読者にとっての物語へ通じる扉であると同時に、
作家が物語の世界へ入っていく扉でもあるのです。
作家も読者も入っていける扉を見つけないといけません。
納得できる冒頭の一行にたどり着くことで、
何か書けると確信できるようになります。

 

本を書き始めるとき、寝る前にベッドの上で
暗闇の中考えます。冒頭の一段落を考えます。
数週間、数ヶ月、ときには数年かけて、
その冒頭を編集します。満足のゆくまで。
これだ、と思える最初の段落を書けたら、
残りも書ききれると確信します。

 

私が書いてきた小説の中で、
一番できの良い冒頭の一行は「Needful Things」の 

You've been here before.

あなたは、ここに来たことがある。

 

1ページに、この文章だけで、
読者に続きを読むように誘っています。
読んだことのあるような物語であると同時に
普段の世界からかけ離れているような予感を与えます。

 

でも、自分の作品の中で、
詩的で美しいといえるような最初の一行は、
そんなに多くはありません。ときには、とても業務的です。
なんでもいいから、どんな方法でもいいから、
物語の世界に入っていける扉を作る。
物語の世界に入る、という機能を果たせばいいのです。

 

でも、一冊の本が最初の一行に左右されるわけではありません。
そこには、核となる物語が必要です。
それでも、素晴らしい冒頭の一行は、力強い声になるのです。

それは、第一印象であり、あなたをワクワクさせるものであり、
長い旅へと連れていく初めの一歩です。こっちへおいで、
ここにはあなたが知りたいことがあるよ。そのように誘って、
誰かが、その声に耳を傾ける。そこには魅惑の力があるのです。

 

以上

 

 

感想

 

今まで、自分がどのように
買う本(小説)を選んできたか考えてみた。

ほとんどの場合、表紙やタイトルに惹かれて、
あらすじを読んで面白そうだったら買っていた。

最初の一行を読んだことって、あんまりなかったと思う。

 

でも振りかえると、あらすじが面白そうと思って買った本でも、
最初の一行につまづいて、ずっと読んでない本もあった。

だいぶ経って読み始めたけど、
なかなか物語の世界に入っていけない。
途中でスムーズに入ることができて、
最後まで一気に読んだ。最初の一行につまずいて、
いまだに、つん読の本も何冊かある。

 

そう考えると、はじめから
スーッと入っていける冒頭って大切だなって思った。
どうしたら、そんな冒頭が書けるようになるんだろう。

とりあえず、次の記事では
自分が素敵だなって思う小説の冒頭を集めてみようと思う。

 

書く人によって、
その人その人のスタイルがあるんだと思う。

プロットや全体像、登場人物を
作り込んでから書き始める人もいる。

でも、この、物語への扉(招待状)を
まず作るっていう考え方に惹かれる。
(というか、スティーブン・キングの言葉に惹かれる。)
自分がどのような小説の冒頭に惹かれるのか、
サンプルを集めて、実際に自分でも書いてみようと思う。